改めて「恵比寿中学」に向き合うメンバー | ももクロ→エビ中→東北産の魅力

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ナタリーのインタビューで、廣田さんが、「エビ中が「中学生」という言葉の新しい概念を作れたらいい」、「「中学生」っていうものを自分たちでジャンル化できたら面白い」と発言しています。
いつも的確な廣田さんですね。
「ぁぃぁぃ」というジャンルを作りたいと言う彼女ですから、エビ中が「中学生」という概念を作ればいい、というのは当然のことです。


エビ中はそのコンセプトを歌詞で表明してきましたが、メンバーが成長する中でそれを体現し続けれるかどうかが、エビ中にとって核心的な問題でしょう。
当ブログも、そのことについて多くの記事を書いてきたと思います。

 

エビ中の基本的なコンセプトは、デビュー曲の「えびぞりダイアモンド!!」で、ほとんど歌われています。

 

その核心は、「幸せ感」でしょう。

「ラッキー!毎日ワクワク」、「ハッピーなえびリデイ!」な「中学生活」。

 

「幸せ」は、大人が考えるような欲望が満たされた幸せじゃありません。
「毎日」ということは、辛い時も、アンラッキーな時も「幸せ」なんであって、
常に「ワクワク」を感じる、すべてを楽しめる姿勢でいることかから来る「幸せ感」でしょう。

 

そして、そんな姿勢で「えびぞる」、つまり、やりきること、ふりきること。
そこから生まれる「ダイアモンド」のような「笑顔」が、豊穣の「恵比寿」であり「蝦」であり、そんな「中学」です。

 

「永遠に中学生」では、それが「遊び心(バカみたいに遊ぶ)」、「初心」と言い換えられました。
何事にも真っ白で積極的な姿勢で向き合う「ワクワク感」が「初心」、

それに動かされて、ふりきって「えびぞる」ことが「バカみたいに遊ぶ」です。

 

後に表現される、「未確認少女X」も、「穴空(アナーキー)」も、「スーパーヒーロー」も、

「ラブスマ」の「世界を救う笑顔」も、「幸せの貼り紙」の「なんて素敵な日々」も、「キングオブ学芸会」の「幸せだなぁ」も、その延長線上にあります。

 

ベスト・アルバムのタイトルの「イケイケ」は「えびぞり」のことだし、「ワクワク」はそのまま「幸せ感」のことでしょう。

 

エビ中のこのコンセプトは、普遍的なメッセージですが、それが力と魅力を持つのは、メンバーが、常識の範囲を越えてそれを実際に体現する時です。


彼女たちには、その素質があったから、運営もこういうコンセプトを打ち出し、それを続けてきたハズです。

 

 


「コンプリートベスト」では、吉田豪を起用して、過去最高レベルのボリュームのインタビューを掲載しています。

以下、少しネタバレありです。

 

吉田さんはインタビューで、各メンバーが、壁にぶち当たってそれを克服する成長ドラマを浮かび上がらせようとしました。
自分があまり知らないグループの8人ものメンバーの個別インタビューをしなければいけないから、誰にでも適用できそうな普遍的なフォーマットを使ったんでしょう。

 

当然ながら、浮かび上がってきたのは、例えば、最初は「遊んでる」ように活動していたけど、「プロ意識」を持って活動せざるをえなくなったというストーリーだったりします。
その契機は、旧メンバーにとっては3人の転校、新メンバーにとっては転入です。

 

あるいは、人見知り問題、キャラ付け問題、そして最近のストレス問題とスキャンダル問題とか。

 


ところがです。

 

松野さんは、「たすたす」での、「こう見えてネガティブだから」、「自分はここにいていいのかな」発言について聞かれて、
「そこまでネガティブになったことはない」、「(ネガティブスイッチが入っても)途中であっけらかんと戻る」、と答えて、吉田さんを驚かせています。

 

運営とのインタビューでは、吉田さんは、松野さんにインタビューに苦戦したと言いました。
それに対して、かりそめ先生が「幸せなんですよ」、近藤さんが「壁とか悩みを感じさせない…それが問題だと思わない」と返しています。

 

エビ中らしくあるなら、壁を壁と感じない、悩みを悩みと感じないように見える、それが正解なんです。

松野さんは、「ザ・エビ中」ですから。

 

だから、普通のフォーマットでは、エビ中のインタビューはつまなくなるハズだし、実際、全体的につまらないと感じました。

 

今回の質問に沿って言えば、プロ意識を持ちつつも、「遊び心(イケイケ)」を持ち続けていられているのか?
壁・悩みにぶち当たっても、ポジティブな心で「幸せ感(ワクワク)」を持ち続けていられているのか?

 

それがエビ中であることの本質であって、エビ中としての成長であって、エビ中メンバーが挑んでいる偉大なストーリーです。

インタビューが焦点とすべきポイントもここなんじゃないでしょうか。

 

小林さんは、「(エビ中に入れて)幸せです」、「(エビ中は)平和なんですよ」と話しているのは、単純に感動します。

エビ中に入った影響で、ポジティブになったと言っています。
病気で踊れないこことに対しても、「歌の表現力を上げられるチャンス」と答えています。

 

柏木さんは、逆に、エビ中に入ってからネガティブになったと言っています。

でも、病気に対して、やっぱり、「いろんなことが考えられるようになったのはすごくいいこと」と捉えています。

 

でも、小林さんも、柏木さんも、病状はかなり大変そうです。
誰もストレスへの対処法が分からないようです。

 

ストレスは意識化されないと身体症状に出たりします。

でも、意識化するだけではダメです。

 

最近の研究では、ストレスは、それが体に悪いと思うと、実際に体に悪いホルモンを分泌するけれど、自分を成長させてくれるきっかけだと受け止めれば、実際に、体に悪くないホルモンに変わることが分かっています。

誰でもストレスはありますが、それを自覚して、ポジティブに捉えればいいのでしょう。


小林さんにも、柏木さんも、現状をポジティブに捉えていますが、ストレスそのものは悪いからなくそう、と思ってしまっています。

吉田さんも、柏木さんに、「ストレスを感じたらダメだ」と言ってます。

 

それがダメなのに。

 

ストレスを感じることにも、ワクワクしないと。

 

流れ落ちる涙をぬぐわないのが、柏木さんです。

自然な感情を大肯定する、ネバーランドの王女です。

柏木さんが、ノンスタ井上に「情緒不安定」を言われて、「いいやんか」と大肯定で返したように、

「ストレスを感じるな」と言われたら、「いいやんか」と大肯定で返せばいいんです。

 

それがストレスに対するエビ中的対応であって、科学的にも正解なんだろうから。